最近の。2020/11

最近引っ越した。

 

新居がこれまた地獄みたいな場所で、私の住んでいる階はどこにいても物の腐ったにおいがする。引っ越す前はモノをロクに腐らせたことが無かったので「腐敗臭」と聞いてもイマイチぴんと来なかったのだが、最近は毎日嗅ぐはめになっている。ヨーグルトのにおい、というのが一番近いだろう。ヨーグルトは改めて発酵食品なのだということを実感する。

 

また、うちのアパートの腐敗臭は日々変化する。前述のヨーグルトに近いにおいの時もあるし、納豆のにおいの時もある。ときどき甘いにおいだったりもする。いずれも臭いことには変わりない。

 

トイレや風呂は共用で、いずれも汚い。清掃員と思われる人が週に二回来てくれるのだが、明らかに仕事をサボっている。サボっていなきゃ、トイレのごみ箱がいっぱいになって、溢れたペーパータオルが散乱していることは絶対に無い。洗濯機も共用で、洗濯機の周りはヘドロが溜まっている。

 

こんな最悪環境だが、お家賃は1万円以下だ。東京でお家賃1万円以下はなかなか見つけられない。洗濯機を買う必要もなく、財布にだけは天国のような環境である。Wi-Fiも無料で使えるし、エアコンも備え付けだ。今の私にはなかなか引っ越しを考えられない。

 

とはいえ最悪なことには変わりないので、うちのアパートは人の入れ替わりが激しい。大学生が住めば、4年いる人は相当稀なのだそうだ。みんなお金が貯まったら出て行ってしまう。私もいつかはそうしたい。いくらお財布に優しいとはいえ、これではいつか自我が崩壊してしまうだろう。ネグレクトされている子どもの気分を味わえる。人生に一度は必要な経験なのかもしれない。逆に考えれば、ここに一か月以上住めば大抵の住まいで幸せに暮らせると思う。

 

ちなみにうちのアパートはお湯も出ない。アパート内でお湯が出る場所は風呂だけで、共用の厨房や洗面所では水しか出ない。真冬だろうとお構いなしだ。いくら古い建物とはいえ、インフラ整備すらなされていないとはどういうことだろうか。Wi-Fiは設置してあるというのに。

 

そのWi-Fiもなかなか不安定だ。私は艦隊これくしょんというソーシャルゲームをプレイしているのだが、艦隊これくしょんはバトル中に通信が不安定になるとゲームがリセットされ、一からスタートになってしまう。このシステムもなかなか時代遅れなのだが、Wi-Fiが不安定なためにボスクリアしても全てなかったことになるときもある。艦隊これくしょん運営チームがこのシステムをどうにかするか、Wi-Fiがどうにか改善されるか、この永遠に解決されない二択を待つには人生は短すぎる。

 

年末年始に実家に帰る。実家でどんなにか幸せな時間を過ごせるだろうかと今からワクワクしている。臭くなくて、ヘドロが溜まっていなくて、ちゃんと温かいお湯が出るということ、それがいかに幸せなことかというのは、ほとんどの人は一生理解せずに死んでゆくのだろう。逆に、それさえわかれば人生は大いに楽しく幸せに暮らしてゆけると思う。